2025年10月6日(月)、松原仁教授が担当する「産業と情報通信技術」の講義において、株式会社Aill 代表取締役の豊嶋千奈氏をお招きし、講演会を開催しました。本科目では、AIやビッグデータ、IoT、ロボット、セキュリティなど最新の情報通信技術(ICT)を活用している民間企業や自治体、大学などの研究者や技術者を迎え、最新技術の動向や産業応用について講演いただくことで、ICTの実際の利活用の実例や技術を学ぶとともに、急速に進化するICTにより今後の産業や我々の生活がどう変化するのか、それによる社会的効果や課題が何なのかなどについて学びます。
今回の講演会では、AIを活用した企業専用のAI良縁アプリ「Aill goen」の開発経緯と事業戦略について紹介いただきました。本アプリにおけるAIナビゲーション機能は、松原仁教授が開発に協力、Aillサービスを監修した経緯から、今回豊嶋氏の講演が実現しました。
豊嶋氏は講演冒頭、20~30代独身の60%は恋人がいない、20代独身男性の40%はデート経験がないというデータを取り上げ、現代の日本は「結婚・恋愛しない国」であるとお話されました。若者が恋愛をしなくなった背景には、「失敗したくない」という心理が非常に強く働いており、また、従来の良縁アプリには、独身者の認証や安全性の問題といった課題がありました。
こうした課題を解決するため、「Aill goen」ではAIがユーザーに代わって共通の友達のように振る舞い、コミュニケーションをアシスト。具体的には、「相手を知る」「仲立ちする」「伝えづらいことを代わりに伝える」という機能を備えることで、ユーザーが行動すればうまくいく仕組みを提供していることを紹介いただきました。
株式会社Aill独自のAIは、単にチャットを解析するだけでなく、二者間の間に入ることで両方の情報を持ち、コミュニケーションの全体像を把握できる点が強み。この二者間の介在と本音確認の仕組みについて、同社ではコミュニケーション全般における特許を取得しており、ChatGPTが登場する直前に取得できたという経緯についてもお話をいただきました。
ほかにも、「個の幸せの集合体が日本活性化に繋がる」とし、「自分の人生に幸せを感じる」ことの実現をめざす企業ビジョンや、豊嶋氏のこれまでのキャリア、そして就職活動におけるポイント等について講義いただきました。講義終了後、質疑応答では受講学生から豊嶋氏へ授業時間内では収まらないほど多くの質問がされ、AIを駆使したサービスの開発、構築における企業戦略や、同社を立ち上げた豊嶋氏の思いを学ぶ機会となりました。
▼工学部情報工学科
https://www.tachibana-u.ac.jp/admission/faculty/information_engineering/
▼株式会社Aill
https://aill.ai/company/