【歴史遺産学科】水中考古学者・山舩晃太郎氏、石井周氏による学術講演会を開催しました

 2025年12月17日(水)、水中考古学者で本学客員教授の山舩晃太郎氏と、京都大学東南アジア地域研究研究所 特定研究員の石井周氏を講師に迎え、学術講演会を開催しました。本講演会は、京都橘大学文学部歴史遺産学科が主催し、水中考古学研究の第一線で活躍する研究者を招いて実施したものです。今回は「水中の戦争遺跡-保護と継承-」をテーマに、水中に残された戦争遺跡の調査と保存、継承のあり方について考える機会となりました。

 山舩晃太郎氏は、水中考古学とデジタル技術を融合した研究で国際的に活躍されている研究者です。沈没船や港湾遺構を対象に、フォトグラメトリや3Dモデリングを活用した調査手法を開発し、海底に眠る文化遺産の構造や歴史的背景を可視化する取り組みを行ってこられました。
 第一部の講演「戦後100年へ向けた水中戦跡の保存と継承」では、太平洋島しょ部をはじめとする各地の水中戦跡調査の事例をもとに、戦争遺跡を単なる「過去の痕跡」としてではなく、未来へ継承すべき文化遺産として捉える重要性について語られました。

 続く第二部では、石井周氏が「ソロモン諸島の海底戦争遺跡:ノーチラス号による調査とその舞台裏」と題して講演を行いました。石井氏は、ソロモン諸島周辺に残る海底戦争遺跡の調査事例を紹介しながら、無人探査機などの最新の海洋調査技術を用いた調査の実際や、米国の海洋調査団体(Ocean Exploration Trust)との協働による戦争遺跡調査について説明しました。研究の成果だけでなく、調査現場で直面する課題や舞台裏についても具体的に語られ、参加者は水中考古学の最前線に触れる機会となりました。

 第三部のパネルディスカッションでは、本学文学部歴史遺産学科の南健太郎准教授をコーディネーターに、両講師が登壇し、活発な議論が交わされました。

 当日は、13回生の学生に加え、学外の一般参加者を含む約50名が参加しました。参加者は終始真剣な表情で講演に聞き入り、水中に残された戦争遺跡をどのように守り、次世代へと伝えていくのかを考える、貴重な学びの場となりました。

2025年度一覧へ