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ファブスペース活用

研究代表者:杉浦 昌(京都橘大学工学部情報工学科・教授)

研究課題名

ファブスペース活用の研究

重点研究分野

①医療と情報技術・データサイエンス

活動状況

活動日

2023年7月31日~2023年8月6日

活動内容

3Dプリンタによる造形を通して「ものづくり」とイノベーションの真髄やそれらとITとのかかわりを体験し理解する実践講座を、学部・学科横断で開催し、経済、経営、情報、建築の学生二十数名が参加しました。
初日の講義で3Dプリンタの仕組みや特性、造形物を設計するための簡易3D-CADソフト(コンピュータで3Dの造形物を設計するソフト)の基本的な使い方を学んだ後、参加者それぞれが作りたいものを決めて造形しました。
一週間の期間中、設計し、造形し、問題点を検討し、その対応策を考え、ふたたび新たに設計するという作業を繰り返し行い、創意と工夫に満ちた造形物を作成しました。
また、期間中、三回にわたって学生諸君にアンケート調査を行い、教育効果の基礎データを得るなどしました。
本講座は好評であったため、学内のさらなる展開や、大学外の機関との連携も視野にいれ、継続していきたいと考えています。

活動日

2023年度(まとめ)

活動内容

【学内活動】
希望する学生に対して3Dプリンタのミニ講座を何回か開き、好評を得ました。情報工学科だけでなく他の学部、学科の学生も参加して盛況でした。
 さらに、クリエーションラボの3Dプリンタとマイコンを活用してものづくりを行う学生プロジェクトを発足させ、それを拡大して、マイコン制御によるハンドベル演奏システムを学生が制作しました。27個のハンドベルと約500個のフルカラーLEDを複数のマイコンボードが連携しあって演奏するシステムが完成し、クリスマス陶灯路で展示演奏を行いました。

【学外活動】
クリスマス陶灯路でのマイコン制御によるハンドベル演奏が好評だったので、地域の子どもたちを対象として醍醐みらい食堂で展示演奏を行いました。みらい食堂では、集まった子どもたちが強い興味を示してくれました。
 また、これらの経験をもとに、3月に横浜で行われた情報処理学会第86回全国大会で、小中高生に対するIT教育や大学との連携を論ずる学生発表を行いました。
 さらに、4月のメイカーフェア京都2024(Maker Faire Kyoto 2024)にマイコン制御によるハンドベル演奏システムを出展しました(写真)。大変好評で、制作にあたった学生が「Young Makerプレゼンテーション」の場で「ハンドベル自動演奏システム開発の苦労話」を発表し、賛同と称賛を得ました。

活動日

2024年7月29日~8月7日

活動内容

 クリエーションラボの設備を用いて経済学部、経営学部、工学部(建築デザイン学科、情報工学科)合同の3Dプリンタの講義を行いました。(情報工学実践)
TikTok動画:https://www.tiktok.com/@kyoto.tachibana.u/video/7410712481556958465

・9月9日~13日
 理学療法学科の勉強会「基礎医学研究会」のメンバーを対象として3Dプリンタ講座を開催しました。肩の骨の模型などを出力し、授業や研究への適用を検討しました。

【学外活動】
・8月25日
 京都府開催の「京都学びフェスタ2024」に、クリエーションラボの3Dプリンタや設備を用いて開発したマイコン制御によるハンドベル演奏システムを出展しました。

・9月18日~20日
 京都大学吉田キャンパスで開催されたヒューマンインタフェース学会主催のシンポジウムで「ハンドベル自動演奏装置の印象評価実験」が優秀プレゼンテーション賞に選ばれました。
「たちばなのいま」:https://www.tachibana-u.ac.jp/news/2024/10/20242.html

・9月21日、22日
 お台場の東京ビッグサイト(国際展示場)で開催された「メイカーフェア TOKYO 2024」にマイコン制御によるハンドベル演奏システムを出展しました。

研究概要

 本学のクリエーションラボには3Dプリンタやレーザーカッター、超音波カッター、VR/AR(仮想現実/拡張現実)ヘッドセット、教育用ドローンなどが設置され、教育に活用されています。本研究ユニットはこれをさらに発展させ、全学で横断的に活用可能なファブスペースを実現するとともに、本研究ユニットのメンバー教員の専門分野を中心とする幅広い分野での研究を促進する場を実現します。特に、①幅広い領域での活用、②学内におけるイノベーション教育・STEAM教育(科学、技術、工学、アート、数学を総合した総合教育)、③児童、生徒を対象とするものづくり教育の実践と研究を行います。学外の教育機関や企業・団体との連携、地域との連携を推進し、学外活動への参加も目指します。

研究目的・意義

 政府は、第5期科学技術基本計画の中で、ICTの進化等により社会・経済の構造が日々大きく変化する「大変革時代」が到来し、国内外の課題が増大・複雑化する中で、科学技術イノベーション推進の必要性が増しているとしています。そして、日本がめざすべき未来社会のコンセプト「ソサエティー5.0(Society 5.0)」を提唱しています。ソサエティー5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムによって経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会の姿です。このような状況に鑑み、本研究ユニットは、イノベーション教育・STEAM教育の実践と研究を推進し、ファブスペースの活用を研究します。

研究背景(重点研究分野選択理由)

 ソサエティー5.0は、ITを中心とする新たなテクノロジーをさまざまな分野に適用することによって生み出されるイノベーションによって達成されます。このため、従来の縦割りの学問や理論を中心とした学問だけでは不十分で、異分野の学問が交流し、実際の臨床の場で新たな知見を得る、クロスオーバー的かつ実践的なアプローチが必要となります。これはまさに、本学の教学理念である自立・共生・臨床の知と合致するものであるため、重点研究分野として選びました。

研究計画・方法

 ①幅広い領域での活用、②学内におけるイノベーション教育・STEAM教育、③児童、生徒を対象とするものづくり教育の実践と研究を行います。
 具体的には、研究推進メンバーの専門領域を中心としつつ学部・学科をまたがるクロスオーバー型の教育と研究を行います。また、本学学生も、関連する講義を受けたり学内で開催されるコンテストに参加したり、学外の教育機関や企業・団体、地域との連携活動や学外イベントなどに積極的に参加したりして、イノベーション教育・STEAM教育や問題解決型教育の効果を得ます。そしてその成果をもとに、児童や生徒に対するイノベーションやSTEAMの体験学習会やセミナーなどを行って地域や社会に貢献します。

期待される研究成果および地域・社会への発信

 得られた研究成果は学会発表などを通して社会に貢献します。また、活動によって得られた知見や学生が制作した作品、体験などは、オープンキャンパスなどの場で発表し公開します。さらに、それらを活用して学外の児童や生徒を対象とする体験学習会やセミナーなどを開催します。将来は、ものづくりやテクノロジー、イノベーションに関する展示会に参加し成果を発表して社会に貢献します。

研究期間

2023年4月1日 ~ 2025年3月31日

ユニットメンバー

氏名 所属 職位
氏名杉浦 昌 所属京都橘大学工学部情報工学科 職位教授
氏名鈴木 あるの 所属京都橘大学工学部建築デザイン学科 職位教授
氏名甲斐 義浩 所属京都橘大学健康科学部理学療法学科 職位教授
氏名西野 毅朗 所属京都橘大学経営学部経営学科 職位准教授
氏名楊 文賀 所属京都橘大学経営学部経営学科 職位専任講師