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海外と日本文化

研究代表者:鈴木 あるの(京都橘大学 工学部 建築デザイン学科・教授)

研究課題名

日本文化の国際化と国内産業の変容

重点研究分野

②持続可能な共生社会 ~京都再生を中心として~

研究期間

2023年4月1日 ~ 2028年3月31日

[ 2025年3月31日までの活動はこちら ]

研究概要

 京都は、伝統文化から先端技術まで多様な産業を擁し、「日本らしさ」を代表する街として海外からの注目度も高い。しかし現在のインバウンド観光の盛況は日本文化の持続的な発信につながっているのか。本研究においては、衣食住・健康・文化芸術・産業・観光という複数の方面から、各分野における日本文化に対する現在の評価およびそれらを上下させる要因を探る。そして、外から見た京都や日本の姿を的確に捉え、海外とのつながりを国内とくに京都の産業の持続的発展に直結させる方法論を考察する。

研究目的・意義

【研究の目的】

1)海外から見た京都や日本の姿を、文献調査や聞き取り調査を通じて客観的に捉える。
2)日本文化を海外に向けて正確かつ効果的に発信する方法論を考察する。
3)衣食住や健康といった人間生活の実用的諸問題における文化の違いを実地に検証する。

【研究の意義】

1)工学、経済経営、芸術、医療といった多様な専門分野の研究者と意見交換を行い、日本文化を多面的に捉えることができる。
2)京都を中心とする日本の芸術および産業に対し、国内での持続および海外展開に資する有益な情報を提供できる。
3)異文化を正確に捉えることにより、多文化共生の進む京都にとって有意義な情報を発信できる。

研究背景(重点研究分野選択理由)

【研究の背景】

 近年の京都においては、インバウンド客の来訪や海外からの移住が増加し、また技術や文化の継承者の問題もあり、あらゆる場面で国際化への対応が求められている。そのような中、代表者らがこれまで行ってきた建築や音楽における国際交流の研究過程において、医療、食、衣、地域振興といった分野においても、文化の違いにより評価基準が異なることが観察されたため、その違いを把握し体系化する必要があると考えた。

【重点研究分野の選択理由】

 京都は、伝統文化から先端技術まで多様な産業を擁し、「日本らしさ」を代表する街として海外からの注目度も高い。しかしそれらの文化や産業にも栄枯盛衰があり、海外からの評価や需要も時代とともに浮沈してきた。その動向や内外からの評価を適確に把握することにより、今後の京都の諸産業の発展に資することが期待できる。

研究計画・方法

【2025年度】 

1)新メンバーは各分野のこれまでの異文化交流について文献資料をあたって確認する。
2)各メンバーがそれぞれの分野に相応しい方法によって事例調査を行う。
3)メンバー内で年に数回の情報交換を行うとともに、シンポジウムの企画と準備を行う(第1回を4月2日に実施済)
4)公開シンポジウムを開催し、メンバー以外の研究者、産業従事者および一般聴衆との情報交換を行う。

【2026年度以降】

2025年度の2)〜3)に同じ

期待される研究成果および地域・社会への発信

【2025年度】

・8月にEAAE研究大会(スペインバルセロナ開催)にも鈴木の口頭発表および論文の要旨を発表する。
・9月にBAJS研究大会(英国ウェールズ開催)にて鈴木の昨年までの研究成果を発表する。
・鈴木は、2023年度と2024年度の公開シンポジウムの報告およびそこから得られた議論についてまとめ学内紀要に投稿する。
・他のメンバーは、各分野の学会誌または京都橘大学紀要に投稿を目指す(最低2年に1本ずつを目処とする)。
・2025年1月25日(日)に、国際的評価を受けながらも絶滅の危機に瀕している畳を中心に、日本文化の継承に関する第3回公開シンポジウムを開催したいと考えている。講演者は、以下の方々を予定している。
- 一般社団法人文化財畳技術保存会 会長 磯垣昇氏
- 北九州私立大学 環境生命工学科 教授 森田洋氏
- その他、調整中

【2026年度以降】

・2026年度には第4回「海外と日本文化」公開シンポジウムを開催する。伝統文化や伝統産業の継承者育成問題をテーマとする。
・2027年度には第5回「海外と日本文化」公開シンポジウムを開催する。研究成果を総括し、市民や京都の産業関係者も交えた公開討論を行う。
・各分野の学会誌または京都橘大学紀要に各メンバーが投稿し、鈴木は引き続き国際学会での発表への応募および英文論文の投稿を続ける。
・最終的には、冊子またはウェブサイトに研究成果をまとめ一般向けに広く発信する。研究成果は日本語と英語の二か国語で作成する。

ユニットメンバー

氏名 所属 職位
氏名鈴木 あるの 所属京都橘大学 工学部 建築デザイン学科 職位教授
氏名佐野 仁美 所属京都橘大学 発達教育学部 児童教育学科 職位教授
氏名木下 達文 所属京都橘大学 経営学部 経営学科 職位教授
氏名瀬川 裕美 所属京都橘大学 看護学部 看護学科 職位専任講師
氏名工藤 里香 所属京都橘大学 看護学部 看護学科 職位教授
氏名越村 美保子 * 所属株式会社越村染工場 職位監査役
氏名鈴木 靖志 * 所属武庫川女子大学 職位教授

*共同研究者(外部・客員研究員)