天然痘に対する京都の医師の活動について文学部歴史遺産学科の有坂道子准教授がコラムを寄稿

 文学部歴史遺産学科の有坂道子准教授が、産経新聞「文化」欄に天然痘の種痘対策をめぐる京都の医師のネットワークについてコラムを寄稿した。古来もっとも人々を苦しめ、恐れられた流行病のひとつであった天然痘。嘉永2年(1849)年、ようやく佐賀藩で牛痘種痘が成功し、京都に種痘を実施する日野除痘館と有信堂の2つの施設が開かれた。日野除痘館はわずか2カ月で閉鎖、その閉鎖と前後してできた有信堂は多くの困難を伴ったが順調に進んだ。有信堂は種痘の接種だけでなく、研究活動も行っており、活動に参加した医師たちのなかには、日常的に医療協力をし合う者もいた。特に難しい症例の場合など、知識や経験の豊富な医師に問い合わせることも多く、医師たちはネットワークを活かしながら、日々の診療に向き合っていたと結ばれている。

【2013年6月5日 産経新聞に掲載

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