甘樫丘東麓遺跡で7世紀中ごろの建物跡2棟が出土したことについて、猪熊兼勝本学名誉教授がコメント

 9月5日、奈良文化財研究所は、蘇我蝦夷・入鹿の邸宅跡とみられる甘樫丘東麓遺跡(奈良県明日香村)で、7世紀中ごろの建物跡2棟が谷筋を造成した土地から出土したと発表した。1棟は床全体に柱がある高床の総柱建物、もう1棟は掘立建物で、いずれも用途は不明。645年、入鹿は中大兄皇子らに暗殺され、父の蘇我蝦夷は自邸と入鹿邸に火を放ったとされる。猪熊兼勝本学名誉教授は「総柱建物は倉庫とみられ、蘇我氏と運命をともにしたのではないか。谷筋ごとに倉庫などの建物群が造られたかもしれない」と話した。

【2013年9月6日 朝日新聞に掲載】

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