10月19日、第17回「かんだい明日香まほろば講座 キトラ古墳壁画発見30周年~天文図と十二支像の世界~」が関西大学東京センター(東京都千代田区)で開催された。猪熊兼勝本学名誉教授は、「天子の象徴から王権のデザインへ」と題して講演。キトラ古墳に描かれた天文図や四神の壁画について、中国の天子(皇帝)を中心とした宇宙観を表すもので、日本では皇太子級の墓に採用されたと話した。7世紀末から8世紀初めまでの間、皇太子と同等の地位の皇子はほかに死去していないことから、「高松塚、キトラに続く極彩色の壁画を持つ古墳は、飛鳥では、もう見つからないのでは」と報告した。
【2013年11月6日 朝日新聞に掲載】