11月7日(火)、経営学部の丸山一芳教授ゼミの2回生と3回生が合同学習会を開催しました。丸山ゼミでは企業のイノベーションやアントレプレナーシップを学ぶ学生が所属しており、学外企業との連携プロジェクトにも積極的に取り組んでいます。
講師には、大阪府八尾市のライフスタイルカンパニーである株式会社友安製作所 代表取締役社長 友安啓則氏をお招きし、講演いただきました。
友安氏は、高校1年生からアメリカに留学し、大学・大学院と進みMBAを取得されました。現地の商社で活躍をした後25歳で帰国し、家業の友安製作所に入社しました。入社後すぐにインテリア事業部を開設すると、自社ブランド「Colors」を立ち上げました。カーテンレールのオリジナル製品を開発すると、ネット時代の波に乗り売上を拡大させます。その後はインテリアやDIY需要を取り組み、EC事業として成功を収めました。さらに事業の多角化に取り組み、現在はカフェ事業、工務店事業、メディア事業、レンタルスペース事業、まちづくり事業と多岐に渡ります。
講演会では事業の多角化を進める際のノウハウの説明を受けた他、経営とともに企業ミッションの追求の重要性を学ぶ機会になりました。講演会後は座談会形式で参加学生から友安氏に質問をすることができました。ビジネスの最前線で活躍する現役経営者との交流は学生にとって貴重な経験となりました。
【受講生のコメント(経営学部経営学科3回生 郡山 希さん)】
ご講演の中で、特に印象的だったのは、「毎日が文化祭前夜」というフレーズです。社員がワイワイガヤガヤと楽しみながら仕事をすることで、お客さまやステークホルダーの方々も含めてみんなでワクワクや笑顔を共有したいという社風を表現しているそうです。また、その根本に「たくさんの人々のくらしを彩り豊かにしたい」という軸があるからこそ生まれたものだと知り、感動しました。
現在、私は学内で初開催となる「ビジネス&パブリックピッチ」の運営を行っています。実行委員会では、時間がタイトだったり、うまく物事を進められなかったりした時に楽しむことを忘れてしまいがちです。ですから、「経験だけではなく思い出になる大会にする」という軸をもってまずは自らが楽しみ、その輪を広げるように活動したいと思いました。
【受講生のコメント(経営学部経営学科2回生 近藤 匠さん)】
「やりたいことを貫く」という友安氏の価値観が強く印象に残りました。これまで企業は利益を最優先に経営されると考えていました。しかし、「世界中の人々のくらしを彩り豊かにする」という信念の本気さが伝わるご講演をお聞きして、真の目的は「やりたいこと」であるべきだと理解できました。しかも、ご講演はユーモアにあふれて会場が笑いに包まれたのも印象的でした。
また、「毎日、会社の財務状況をしっかり観察している」「ビジネスで一番大切なのは行動すること」という友安氏の言葉を教訓に、私はさっそく簿記検定の学習を開始しました。毎日、自分に負けそうになってもひたすら手を動かして将来「やりたいこと」が実現するように問題を解いています。
【担当教員のコメント(経営学部 丸山 一芳教授)】
経済産業省近畿経済産業局の研究会で友安啓則氏とはご一緒しています。ぜひともゼミ生たちと直に交流してほしい地域イノベーションを牽引する経営者の方ということでお越しいただきました。
現在3代目の社長 友安氏は米国留学から帰国後にベンチャー型事業承継として経営改革を断行されて注目を集めています。その事業領域は、インテリアに関するビジネスからカフェ事業やキャンプ場運営、さらには「まちづくり」まで多岐にわたります。ECにも早くから取り組み、クリエイティブを重視して内製化しており、売り方も商材もデザインに優れていることが特徴です。
また、役員を含め従業員全員がお互いをニックネームで呼び合うなどのユニークな取り組みで、「何か面白そうな会社」という組織文化をつくりあげています。合同ゼミでは質問が止むことなく、大変活発な議論ができました。ご講演に感謝申し上げます。