吉野山
寺坂昌三
かつて、かな書は机上で鑑賞する巻子や折帖が主でした。70年ほど前から、かな書も壁面芸術として認知され、大字かな作品がどんどん発表されるようになりました。
この作品では、前に小集団を置き、中央やや左に山場を設定しました。左右に線を揺らしながらも行の流れに統一感を持たせるよう意識しました。
文字の大小、線の太細、疎密や墨量の変化など、相反する要素を組み合わせ、互いを引き立て合うことで、表現の豊かさと立体感を演出します。
大字かなは、中字、細字作品にはない大胆さや迫力が魅力ですが、かな書独特の繊細さや情趣を併せ持つようにしたいものです。
(2025年読売書法展出品作)








