日時 | 2024年6月15日(土)13:00~16:30 |
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会場 | キャンパスプラザ京都 4階第2講義室 |
受講料 | 無料 |
定 員 | 250名(先着順) |
講師 |
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コメンテーター | 松村 淳子(宇治市長) |
コーディネーター | 野村 倫子(本学文学部日本語日本文学科教授) |
6月15日(土)、第31回女性歴史文化研究所シンポジウム「紫式部と女房の時代」がキャンパスプラザ京都で開催され、約220名が参加しました。
今回のシンポジウムでは、摂関期(平安時代中期)における宮中・後宮や女房に焦点をあて、本学所縁の研究者による最新の研究成果が紹介されました。
まず、園田学園女子大学名誉教授で元本学文学部教授の福嶋昭治氏が「紫式部の宮仕え」と題したテーマで、紫式部の少女時代から宮仕えまで、『紫式部日記』や『和漢朗詠集』などの解説を交えた講演をしました。次に、和歌山県立紀伊風土記の丘館長で本学名誉教授の増渕徹氏が「中下級貴族出身の女房たち」と題したテーマで、『紫式部日記』に登場する女房たちや紫式部を取り巻く社会環境、日記執筆の背景などについて、『小右記』や『今鏡』などさまざまな文献史料からの考察をもとに講演をしました。最後に、宇治市長の松村淳子氏が「まちの記憶を未来につなぐ ~かいまみる、平安時代の宇治~」というテーマで、紫式部にゆかりの深い宇治の歴史的な変遷や、さまざまな文化遺産についてコメントを述べられました。
パネルディスカッションではコーディネーターの本学文学部日本語日本文学科の野村倫子教授が加わり、紫式部にゆかりの宇治や越前との関わりの中で読み取れる当時の女性の役割を考察するなど、講演で語り切れなかった内容を補足し、惜しまれつつも盛況のうちにシンポジウムは終了しました。参加者のアンケートでは「物語を描いた紫式部の心情が理解できた」、「定子と彰子を取り巻く女房集団について、道長の家司集団との関わりまで知れて興味深かった」「紫式部とその時代が感じられ、教科書的な歴史観が変わった」などの声が寄せられるなど、紫式部の心情や当時の宮中の情景をかいま見ることができ、歴史上、女房の果たした役割や当時の時代背景などを考える機会となりました。
講演1:福嶋 昭治氏
講演2:増渕 徹氏
コメント:松村 淳子氏
パネルディスカッションの様子