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コラムVol.5
学外での学習(学外実習)

このコラムでは、以下の内容を取り扱っています。

  • 大学での学びには、学外実習やインターンシップなど実践的な学びが必須となる課程や科目が含まれることがあります。
  • 実習においては、実習先の利用者や患者の権利利益が優先されるため、講義の受講と同様の合理的配慮が難しい場合があります。
  • 進学先の検討に際し、事前に学部・学科の学修内容を調べ、自分に合った選択をすることが重要です。もし、入学後に予期せぬ困難に直面した場合でも、失敗を通じて課題に気付き、克服するスキルを身につけることができます。これらの経験は将来の貴重な財産となります。
  • 学外実習で経験する困難に対応するために、学内実習やアルバイトを通じて自分自身で工夫する力を養うことが推奨されます。これには、自分の事情を相手に適切に伝える方法の習得なども含まれます。

以下、コラム本文をどうぞ。

 大学での学びには、講義の受講だけでなく、学外に出て実践的な学びを行う課程や科目があります。このページにたどり着いた方は、大学進学を検討中の方が多いでしょう。皆さんは、志望先学部・学科の具体的な学修場面をどれくらいご存じでしょうか?

京都橘大学には、以下の学外での学びがあります(※2024年9月時点)。

  • 病院や医療施設等での実習(医療系の学部・学科)
  • 寺社や史跡でのフィールドワーク(歴史遺産学科等)
  • 企業との共同プロジェクトに伴うフィールドワーク(経済学科・経営学科等)
  • 学校・幼稚園・保育園等での実習(児童教育学科や教職課程履修者)
  • 海外留学(国際英語学部等)
  • 図書館や博物館での実習(図書館司書や学芸員資格関連科目履修者)
  • 企業でのインターンシップ(インターンシップ科目履修者)

など

 実践的な学びを行うという観点からは、研究室において積極的貢献を求める工学部も、上記と同様の学びになるかもしれませんね。

学内と学外

 進学先を選ぶ際、特に障害のある方や持病をお持ちの方には、出願前にその学部・学科の学修内容を把握しておくことをお勧めします。というのは、実習において合理的配慮を希望する場合、学内と同じ対応が難しいことがあるからです。例えば、授業中、体調不良により途中退室する場合、合理的配慮の提供として、退室している間の講義を録音する対応は、教室以外でも授業内容にアクセスできる環境を作る意味で、大抵の場合妥当です。

 では、実習先ではどうでしょう?仮に、患者や利用者の対応を一時中断して退席するとなると、患者さんは適切な対応をしてもらえない不利益を経験することになるかもしれません。この懸念が具体的に存在する場合、中座する対処は適切な対応(合理的配慮の提供)とは言えなくなります。
 また、授業を度々休んでしまう状況の場合、実習期間の延長が考えられますが、実際には実習先との調整がつかない等、その実現性に疑問が生じます。

 このように、学外実習では、実習先施設での患者、児童生徒、利用者、お客様などの権利利益が優先される場面が多々あります。そのため、学内と同じ対応ができない事情についてよく知っておくことが必要です。

準備

 必修となる実習やフィールドワークに向けて、入学前・入学後問わず、どのように準備したら良いでしょうか?

 まずは、学内実習やアルバイト等の社会経験を通じて自分自身でできる工夫を増やすなど、自ら対策を講じる方法を試行錯誤しつつ、有効な対処法を見つけていくことが重要です。サポートリンクスの『お知らせ』にはそうした試行錯誤に役立つイベント等を掲載しています。

 皆さんが取り組む模索には、適切な医療受診の他、自分の事情を相手にどのように伝えるか等の社会的スキルの習得、といったことも含まれます。最初は予期せぬ困難と感じるかもしれませんが、失敗を通じて自分の課題に気付き、それと上手く付き合う方法を見つけることができるでしょう。

 実習等の実践的な学修への参加に向かう様々な調整の中で、私たちサポートリンクスのコーディネーターは皆さんとお会いすることができます。どんな些細なことでも気軽に相談してください。
 充実した大学生活を送り、将来の目標に近づくためのお手伝いをいたします。

(執筆者:大野)