驀直去
吉川蕉仙(京都橘大学名誉教授)
無門関にみえる言葉。驀は馬が疾走するさまを指し、ひたすら真っ直ぐに、一心に進む。迷わず進むという意。
1文字目の画数の多い文字が印象的で、その重厚感に圧倒されます。迫力ある「驀」を受ける「直去」はやや画数を少なく処理され全体を効果的にまとめ上げられています。
特に、「直」の最初の2画は線質といい線の方向といい絶妙な工夫が凝らされており、1文字目をしっかりと受けています。
全体として圧倒的な迫力を示す本作ですが、文字造形の工夫や疎密の関係、墨量の巧みな変化が駆使され力強さと共に自然な書の魅力も表出しており、飽きる事のない味わいを示しています。









